タイヤの状態、どのくらいの頻度で気にしていますか?
普段の生活の中でタイヤの状態を気にする機会はどれくらいあるでしょうか?
例えば車検や12ヶ月点検などの際に、整備士にタイヤをチェックしてもらうことがあるかと思います。
また、ガソリンスタンドでの給油時にスタッフから「タイヤの状態を見ましょうか?」と声をかけられることもあるでしょう。
さらに、ご自身でタイヤ交換をされる方は、春と冬のタイヤ交換のタイミングでタイヤの状態をセルフチェックをすることもあると思います。
タイヤは運転の安全を左右する大切なパーツです。
ここからは
・タイヤの購入時期の目安
・タイヤを長持ちさせるためのポイント
・購入時にチェックすべき点
について、詳しく見ていきましょう。
タイヤの寿命ってどれくらい?
タイヤの寿命は主に
①経年劣化
②タイヤの溝の状態
の両面から判断することができます。
①経年劣化について
一般的にタイヤは、5年経過したらその後継続して使用できるか速やかに点検することを推奨されています。
その主な理由は「時間の経過とともにタイヤの柔軟性が無くなる」という点にあります。
これは、タイヤの約半分が「ゴム」でできていることに起因します。
ゴムは時間が経つにつれて油分が抜けて硬くなる性質を持っていますが、タイヤも同じで路面の熱や紫外線の影響を受けて、ゆっくりと油分が抜けていきます。
油分が抜けて硬くなったタイヤは、「グリップ性能(路面を掴む力)」が落ち、次第にブレーキの効きが悪くなっていきます。
タイヤの側面にもヒビが入りやすくなり、ヒビの症状が進行するとバースト(破裂)する危険性が出てくるため、溝がまだ十分に残っている状態でも、時間が経って柔軟性が無くなったタイヤは交換がおすすめとなります。
②タイヤの溝の状態について
全てのタイヤには「スリップサイン」と呼ばれるマークがあります。
これはタイヤの溝の深さが限界(1.6mm)にまで減ったことを示すマークで、安全な走行ができなくなる目安です。
スリップサインはタイヤ1本につき6箇所ついていますが、その内1つでも露出していると「危険な状態」と判断され、車検を通す上でもタイヤの入れ替えが必要となります。
一方で、スリップサインが出ていなくても安心とは限りません。
タイヤが路面に接する部分にある「溝」や「切れ込み」は、雨の日にタイヤと路面の間にある水をかき出す役割を持っています。
もしタイヤの溝が少なくなり水を排出できなくなると、ブレーキもハンドル操作も効かなくなり、事故のリスクが高まります。
水をかき出す力が低下したり、ブレーキを踏んでから車が停まるまでの距離が長くなるのは、タイヤの残り溝が「4mm以下」からだと言われています。
一般的には、まだ購入してから時間が経過していない場合でも、タイヤの溝の深さが4mm以下になったら、早めに入れ替えを検討した方が安心です。
タイヤを長持ちさせるために気を付けることは?
タイヤを長持ちさせるにはどんな方法があるのでしょうか?
ここからは4つのポイントを説明していきます。
①タイヤの空気圧を保つ。
各メーカーが推奨するタイヤの空気圧は、車の運転席側のドアを開けた所に貼ってある「ステッカーの表示」で確認することができます。
タイヤの空気圧を調整すると、車の燃費性能を向上させることが証明されていますが、実はタイヤを長持ちさせる効果もあるのです。
タイヤの空気圧が高すぎたり、逆に不足している場合、タイヤの一部分だけが擦り減る「偏摩耗」という現象が起こります。
偏摩耗が進行すると、スリップサインが露出したり、排水性能が低下していくため、タイヤの空気圧を保つことはとても大切です。
タイヤの空気は、自然と少しずつ抜けていきます。そのため、月に1回を目安にガソリンスタンドなどで空気圧をチェックすることを習慣にしましょう。
②適切な環境で保管する。
タイヤの保管場所の環境もタイヤを長持ちさせる上で重要です。
ゴム製品であるタイヤは熱や紫外線に弱い性質を持っており、直射日光にさらされるとタイヤは劣化していきます。
また、水に濡れるとホイールが錆びてくる可能性もあるため、日陰や屋根の下で保管することが望ましいです。
やむを得ず屋外で保管する場合は、UVカット機能や耐熱機能があるタイヤカバーを使用しましょう。
タイヤカバーは1,000〜5,000円前後で購入でき、屋外でもタイヤの保管に適した環境を作り出すことができます。
ただし、湿気や雨水がカバー内に溜まると逆にタイヤの劣化を早める原因になるため、防水タイプのものを購入したり、時々タイヤカバーを外して空気を入れ替えるようにしましょう。
また、最近ではタイヤの保管場所を有料で提供している会社もあります。
アパートやマンションなどの賃貸で、そもそも室内にも屋外にも保管する場所が無い方やタイヤの運搬に苦労している方は、タイヤ保管や交換を請け負ってくれる会社に頼むのも一つの手です。
保管費用は会社によって異なってくるので、各会社に問い合わせてみましょう。
「車検のコバック紫竹山店・女池インター店・寺尾店・赤道店・コバックステーション」でもタイヤ保管サービスを承っております。
タイヤの置き場がなかったり、重くて持ち運びが大変、タイヤの交換時期が分からないなど、お困りの方はぜひ弊社にお問い合わせください。
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③定期的にタイヤローテーションを行う。
タイヤの装着位置を変更することを「タイヤローテーション」と呼びます。
タイヤは同じ位置に装着していると、徐々に同じ箇所が擦り減っていきます。タイヤローテーションを行うことで、タイヤの摩耗を均一にする効果があります。
例えば、FF(前輪駆動)車は、駆動輪である前輪のタイヤが摩耗しやすい傾向にあります。ローテーションを行うことで摩耗を均一にできますが、その方法には注意が必要です。
一般的に、FF車の場合は前輪をそのまま後輪へ、後輪をそのまま前輪へ、左右を入れ替えずに移動させる方法が推奨されています。
車種やタイヤの種類によっては異なる方法が指定されている場合があるため、必ずお車の取扱説明書で推奨されている方法を確認してください。
一方、後輪駆動や4WDの車は後輪のタイヤが摩耗しやすいため、ローテーションをする場合は後輪タイヤを前輪に移動させます。その上で、左前タイヤは右後ろに、右前タイヤは左後ろに装着させます。
もしタイヤの回転方向が指定されている場合は、上記の方法ではなく、お車の取扱い説明書等に従って装着してください。
タイヤローテーションの目安は、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤの交換時や、5,000km ごとに行うのがベストです。
定期的に前後左右の位置を入れ替えることで、タイヤの摩耗のクセを均一にしてタイヤを長持ちさせることに繋がります。
④スピードを抑えた運転を心がける。
タイヤの摩耗は、停まってる状態から発進する時に速度を抑えて進んだり、ブレーキをかける時にゆっくり停まることでも低減することができます。
走行スピードが速いと地面とタイヤが衝突する力が働くため、摩耗の度合いが大きくなります。さらに、走行スピードが速いと熱エネルギーが発生しタイヤが高温になるため、ゴムが柔らかくなり摩耗が進行する原因となります。
普段からスピードを抑えた運転を心がけること、急発進・急ブレーキを控えることが、タイヤの摩耗を減らすことに繋がります。
タイヤの買い替えのタイミングと選び方・性能差
一概にタイヤといっても、実はその種類は様々です。どのようなタイヤを選ぶかは、車の乗り方や乗っている地域性などで選ぶのがベストです。
ここからは、タイヤを買い替える時のポイントを見ていきましょう。
タイヤのインチアップ・インチダウン
タイヤを買い替える時に大前提として知っておかなければいけないことは、タイヤのサイズです。
タイヤは「純正サイズ」という、新車装着時に着いているサイズが基準となります。
しかし、時にはユーザーの意向によって、タイヤのサイズをカスタムするケースがあります。
これを「インチアップ」、「インチダウン」と言います。
【インチアップについて】
タイヤのインチアップとは、タイヤの外径をほぼ変えずに、ホイールのリム径を大きくすることを指します。つまり、タイヤを薄く(扁平率を下げた状態に)してホイールを大きくすることで、車を横から見た時の見た目を変えるカスタムになります。
インチアップのメリットは
・運動性能の向上:タイヤの路面との接地面が広がり、グリップ性能やコーナリング性能が向上する。
・ドレスアップ効果:ホイールを大きくすることで、見た目がスタイリッシュになる。
などが挙げられます。
逆にデメリットは
・乗り心地が悪くなる:タイヤのサイドウォールが薄くなるため、路面の凹凸の影響を受けやすくなり乗り心地が悪くなる可能性がある。
・ノイズの増加:タイヤの走行音が大きくなる可能性がある。
などが挙げられます。
【インチダウンについて】
一方、タイヤのインチダウンとは、タイヤの外径(全体の直径)を変えずに、ホイールのサイズ(リム径)を小さくすることを指します。つまり、タイヤの「幅」を狭くして、偏平率(タイヤの高さの比率)を大きくすることで、外径を維持します。
インチダウンをするメリットは、
・タイヤ価格の低下:ホイールサイズが小さくなることで、タイヤの価格が安くなる場合があります。
・乗り心地の向上:タイヤの偏平率が大きくなることで、段差などの衝撃吸収性が向上し、乗り心地がマイルドになります。
・ハンドリングの軽さ:ホイールのバネ下重量が軽くなることで、ハンドリングが軽くなり、操縦性が向上します。
一方、デメリットは
・外径の差異:外径が異なると、スピードメーターに誤差が生じ、車検に通らない可能性があります。
・見た目:インチダウンすると、車やタイヤが地味に見える可能性があります。
などが挙げられます。
インチアップやインチダウンは、それぞれメリットもありますが、デメリットや注意点もあります。
実施する際は慎重に検討し、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
タイヤの買い替えのタイミング
前述した通り、タイヤの寿命の目安は「経年」と「状態」の両面から判断できます。
では、普段の生活の中でタイヤの状態をチェックできる機会はどれくらいあるでしょうか?
◼︎日常生活の中で
例えば、オイル交換や日常点検など、何らかの理由で自動車工場やガソリンスタンドを利用する機会があると思います。
タイヤとは直接関係ない作業でも、お店の方に依頼すればタイヤの状態も一緒に確認してくれる所がほとんどです。
また、ガソリンスタンドではタイヤの空気圧点検の声掛けをしてくれる店舗もあります。そのような機会を活用してみましょう。
さらに、タイヤのセルフチェックも大切です。遠出をする前や洗車の時に自分でタイヤをチェックすることで、ヒビが入っていたり、釘や異物が刺さっているなどの状態に気付くことができます。
◼︎車検や法定点検のタイミングで
車検にはタイヤに関する点検項目が設けられています。
・タイヤに加わる荷重がタイヤの負荷能力以下であること。
・タイヤの溝が1.6mm以上であること。
・タイヤに亀裂や破損がないものであること。
・タイヤの空気圧が適正であること。
などの内容になります。
車検時、上記の点検項目をクリアできなければ安全基準を満たさないと見なされタイヤの入れ替えが必要となります。
また法定12ヶ月点検にも車検と同じくタイヤに関する点検項目が設けられています。車検と法定12ヶ月点検を交互に利用することで、タイヤの状態を定期的にチェックすることができます。
そしてタイヤの入れ替えが必要であれば点検と同時にタイヤを購入することも可能なので、一度に車のメンテナンスを完了することができます。
◼︎夏冬タイヤの切り替え時に
夏冬タイヤの切り替え時もタイヤの状態をチェックする良い機会になります。
ご自身で夏冬タイヤの交換を行う場合は、タイヤの残り溝やヒビなどの状態を確認するようにしましょう。
また、自動車工場やガソリンスタンドなどにタイヤ交換の作業を依頼する場合は、前もってスタッフにタイヤの状態チェックをお願いしておくと良いでしょう。
もし状態が悪ければ、夏冬タイヤの切り替え時に新しいタイヤを購入することができ、その後安全に走行することができます。
タイヤの選び方・性能差
タイヤには多くの種類があり、それぞれ得意分野があることをご存知でしょうか?
タイヤメーカーは国内・国外で多くのメーカーがあり、さらに同じメーカーでも様々なラインナップがあります。
そしてタイヤの種類によって特性も変わってきます。
タイヤを選ぶ時は、価格帯だけではなく装着する車の特性や乗り手のライフスタイルに合ったタイヤを選ぶことが大切です。
ここからは、タイヤを選ぶ時のポイントを見ていきましょう。
【タイヤを選ぶ時のポイント】
・燃費を重視する場合
燃費を重視する方は、転がり抵抗が少ない低燃費タイヤを選ぶようにしましょう。
タイヤに貼ってあるラベルには燃費の指標が記載されています。
タイヤのラベリング制度において、「転がり抵抗性能」の等級が「A」以上(AAAが最高等級)であり、かつ「ウェットグリップ性能」の等級が「a」から「d」までの範囲内にあるタイヤが「低燃費タイヤ」と定義されています。
ウェットグリップ性能は「a」を最高として4段階の等級があり、雨の日の安全性を重視するなら、より等級の高いタイヤを選ぶとよいでしょう。
元々燃費性能の良い車にお乗りの方や、燃費を重視する方は、ラベルに「低燃費タイヤ」と記載されているタイヤを選ぶようにしましょう。
・SUVやミニバン、背が高い車に乗っている場合
背が高い車にはふらつきを抑えるタイヤを選ぶことで安定感のある運転ができます。
これまで普通車・軽自動車ともに、背が高い車は重心も高いため左右にふらつきやすかったり、タイヤの外側だけ摩耗しやすいという問題がありました。
背が高い車に合ったタイヤを選ぶことで、ふらつきや偏摩耗の問題を解決し、運転の快適性を感じることができます。
・運転のしやすさを重視する場合
高い操作性を求めたい方には、ハンドリング性能が優れたタイヤがおすすめです。
各タイヤメーカーにはハイグレードタイヤのラインナップがあり、高速時の安定性や操縦のしやすさ、乾いた路面と濡れた路面両方での力強さが特徴です。
乗り心地を重視したコンフォートタイプと、運動性能を重視したスポーティタイプがあるため、車の性能や自分が何を重視するかで選択すると良いでしょう。
・雨の日の安心感を求めたい場合
雨天時の運転を安定させたい方は、ウェットグリップ性能に優れたタイヤを装着することで安全性を確保することができます。
首都高速道路の調べでは、雨の日の事故は晴天時と比べて死傷事故は約4倍、施設接触事故は約7倍増加するという統計が出ています。
これは視界が悪くなるだけではなく、路面が滑りやすくなったり、ブレーキを踏んでから実際に車が停まるまでの距離が長くなることが原因です。
ウェットグリップ性能に優れたタイヤを装着することで、事故を防げる可能性が高くなるため、運転に自信があるなし関係なく、雨に強いタイヤはおすすめです。
一概にタイヤと言っても、その性能は様々です。自分が乗っている車のタイプや、どのような性能を重視するかによってタイヤを選ぶようにしましょう。
タイヤもしっかりとメンテナンスをして安全運転を
タイヤはよく、「車の中で唯一地面に接している部品」と言われます。
タイヤが車体を支えてくれることで車は走行することができます。
ただ、逆に言えば地面に接している分、劣化が激しい部品でもあります。
数あるメーカーの多種多様なタイヤの中から自分の希望や乗っている車に合ったタイヤを選ぶのはなかなか大変な作業です。
どのタイヤが良いか分からない場合は、自動車整備工場や量販店のスタッフに聞いてみましょう。
タイヤの性能や価格を比較した上で、自分に合ったタイヤを購入することができるでしょう。
車検のコバックでも、タイヤ交換時やオイル交換などのメンテナンス時、車検・法定12ヶ月点検の定期点検の時にもタイヤのチェックや販売を承っております。
タイヤは運転の安全性を担う大切な部品です。
購入を検討されている方はぜひ車検のコバックにお問い合わせください。
様々なラインナップからお客様に合ったタイヤをご提案させていただきます。