タイヤの寿命をご存知ですか?
タイヤには「スリップサイン」と呼ばれるマークがあります。
走行によってタイヤのゴムがすり減り、溝の深さが1.6mmになるとスリップサインが露出します。
このマークはタイヤに6箇所ほどついていますが、1つでも露出していると「安全ではないタイヤ」として見なされ入れ替えが必要となります。
その為、スリップサインは1番分かりやすいタイヤの寿命を教えてくれる目安と言えるでしょう。
しかし、スリップサインだけがタイヤの寿命を教えてくれる目安なのでしょうか?
安全に走行する為に、タイヤの入れ替え時期を確認していきましょう。
タイヤの寿命はどれくらい?
1.ノーマルタイヤの寿命と目安
一般的にタイヤの寿命は5年以内と言われています。
その主な理由は、
①時間の経過とともに、タイヤの柔軟性が無くなる。
②タイヤの残り溝が減ることで、路面の水を排出する力が低下する。
という点になります。
①時間の経過とともに、タイヤの柔軟性が無くなる。
時間の経過とともにタイヤの柔軟性が無くなるのは、タイヤの成分の約半分がゴムでできていることに起因します。
ゴムは時間が経つにつれて油分が抜けて硬くなる性質を持っています。
タイヤも同じで路面の熱や紫外線の影響を受けて、ゆっくりと油分が抜けていきます。
油分が抜けて硬くなったタイヤは、「グリップ性能」と呼ばれる路面を掴む力が落ち、次第にブレーキの効きも弱くなっていきます。側面などにもヒビが入りやすくなり、ヒビの症状が進行するとタイヤがバースト(破裂)する危険性が高まります。
その為、時間が経って柔軟性が無くなったタイヤは残り溝がまだ多くても入れ替えがおすすめになるのです。
②タイヤの残り溝が減ることで、路面の水を排出する力が低下する。
タイヤが路面に接する部分にある「溝」や「切れ込み」は、雨の日にタイヤと路面の間にある水をかき出す大切な役割を持っています。
もし摩耗によってタイヤの溝が少なくなり、水を排出できなくなると、タイヤは水の上に浮く状態となりブレーキもハンドル操作も効かず危険な状況を招きます。
水をかき出す力が低下したり、ブレーキを踏んでから車が停まるまでの距離が長くなるのは、
タイヤの残り溝が「4mm以下」からだと言われています。
その為、まだ購入してから時間が経っていない場合でも、
タイヤの残り溝が4mm以下であればタイヤを入れ替えた方が良い時期だと言えるのです。
2.スタッドレスタイヤの寿命と目安
スタッドレスタイヤに設けられている「プラットホーム」と呼ばれるマークを見たことがありますか?
これは「スリップサイン」と違って、タイヤの残り溝が新品と比べて半分になったことを教えてくれるマークで、スタッドレスタイヤにだけ付いています。
プラットホームが露出した状態で雪道を走行すると、ブレーキが効かなかったり、スリップしてしまう危険性が高くなります。
その為、プラットホームが露出したタイヤはスタッドレスタイヤとしての機能を発揮できないと見なされ、雪が降っている状況下では早急に入れ替えが必要となるのです。
またスタッドレスタイヤもノーマルタイヤと同様、タイヤの柔軟性がとても大切になります。
柔らかい状態のタイヤが雪道や凍った路面を走る時、雪や氷にタイヤが密着することで車は滑りにくくなります。
逆に言えば、硬化したタイヤは雪道や凍った路面ではとても滑りやすいのです。
したがってまだプラットホームが露出していなくても、タイヤの柔軟性が無くなる約3〜5年経過した時期が、スタッドレスタイヤの入れ替えの目安となります。
3.タイヤを長持ちさせる方法は?
では、タイヤを長持ちさせるにはどんな方法があるのでしょうか?
ここからは4つのポイントを説明していきます。
①タイヤの空気圧を適正に保つ。
多くの車は、運転席側のドアを開けた所に貼ってある「ステッカーの表示」からタイヤの空気圧の適正値を確認できます。
タイヤの空気圧を調整することは、車の燃費性能を向上させることが広く知られていますが、実はタイヤを長持ちさせる効果もあるのです。
タイヤの中に入っている空気が高すぎたり、逆に不足していると、タイヤの一部分だけが擦り減る「偏摩耗」という現象が起こります。
この偏摩耗によってタイヤの一部分のゴムが擦り切れていくと、スリップサインが露出したり、排水性能が低下してタイヤ本体の入れ替えが必要になってしまいます。
その為、タイヤの空気圧を適正に保つことは、偏摩耗を防ぎタイヤを長持ちさせることにも繋がるのです。
②適切な環境で保管する。
タイヤを保管する場所の環境もタイヤを長持ちさせる要因になります。
ゴム製品であるタイヤは熱さや紫外線に弱い性質を持っています。
直射日光にさらされているとタイヤは劣化していきます。また、水に濡れるとホイールが錆びてくる可能性もある為、日陰や屋根の下で保管することが望ましいです。
やむを得ず屋外で保管する場合は、UVカット機能や耐熱機能があるタイヤカバーを使用するのが良いでしょう。
1,000〜5,000円前後で購入でき、屋外でもタイヤの保管に適した環境を作り出すことができます。
ただし、湿気や雨水がカバーの中に溜まると逆にタイヤの劣化を早める為、防水タイプのものを購入したり、時々タイヤカバーを外して空気を入れ替えることが必要です。
また、最近ではタイヤの保管場所を有料で提供している会社もあります。
アパートやマンションなどの賃貸で、そもそも室内にも屋外にも保管する場所が無い方や、タイヤの積み下ろしなどに苦労している方は、タイヤ保管や交換を請け負ってくれる会社に預けるのも一つの手です。
空調や温度が安定した倉庫で保管してもらうことで、タイヤのコンディションを安定的に維持することができるでしょう。
保管の費用は会社によって異なってくる為、それぞれの会社に問い合わせてみましょう。
そして実は、弊社が運営している「車検のコバック紫竹山店・女池インター店・寺尾店・赤道店・コバックステーション」でもタイヤ保管サービスを承っております。
「タイヤの置き場がない」「重くて持ち運びが大変」「タイヤの交換時期が分からない」などでお困りの方はぜひ弊社にお問い合わせください。
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③定期的にタイヤローテーションを行う。
タイヤの装着位置を変更することを「タイヤローテーション」と言います。
タイヤは同じ位置につけて走行していると、徐々に同じ箇所がすり減っていくようになります。
タイヤローテーションを行うことで、このタイヤのすり減り方を均一化させる効果があるのです。
例えば、前輪駆動の車は前輪のタイヤが摩耗しやすい傾向にあります。
その為、ローテーションする際は前輪についているタイヤを後輪に移動させます。なおかつ、左後に付いていたタイヤは右前に、右後に付いていたタイヤは左前に装着させるのがセオリーです。
一方、後輪駆動や4WDの車は後輪のタイヤが摩耗しやすい為、ローテーションをする場合は後輪のタイヤを前輪に移動させます。
その上で、左前に付いていたタイヤは右後ろに、右前に付いていたタイヤは左後ろに装着させます。
もしタイヤの回転方向が指定されている場合は、上記の方法ではなく、お車の取扱い説明書等に従って装着してください。
タイヤローテーションの目安としては、ノーマルタイヤやスタッドレスタイヤの交換のタイミングや、5,000km ごとに行うのがベストです。
定期的に前後左右の位置をトレードすることで、タイヤの摩耗のクセを均一にすることができ、タイヤを長持ちさせることに繋がるのです。
④スピードを抑えた運転を心がける。
タイヤの摩耗は、停まってる状態から発進する時にゆっくり進んだり、ブレーキをかける時にゆっくり停まることでも低減することができます。
走るスピードが速いと地面とタイヤがぶつかる力が働く為、摩耗の度合いが大きくなります。
さらに、走るスピードが早いと熱エネルギーが発生しタイヤが高温になる為、ゴムが柔らかくなり、摩耗が進行する原因となります。
したがって普段からスピードを抑えた運転を心がけること、急発進・急ブレーキを控えることが、タイヤの摩耗を減らし長持ちさせることにも繋がるのです。
買い替えのタイミングは
これまでタイヤの寿命の目安をお伝えしてきました。
では、どのようなタイミングで、タイヤの買い替え時期を知ることができるのでしょうか?
普段の生活の中で、タイヤの状態をチェックできる機会はどれくらいあるでしょうか?
1.タイヤの状態を見て
例えば、オイル交換や日常点検など、何らかの理由で自動車工場やガソリンスタンドを利用する機会があると思います。
タイヤとは直接関係ない作業でも、整備の方に依頼すればタイヤの状態確認も一緒に実施してくれるでしょう。
また、ガソリンスタンドではタイヤの空気圧点検の声がけをしてくれる店舗もあります。そういった機会をぜひ活用してみましょう。
また、タイヤのセルフチェックも大切です。
遠出をする前や洗車の時に自分でタイヤをチェックすることで、ヒビが入っていたり、釘や異物が刺さっているなどの状態に事前に気付くことができるのです。
2.車検や点検のタイミングで
車検にはタイヤに関する点検項目が設けられています。
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・タイヤに加わる荷重がタイヤの負荷能力以下であること。
・タイヤの溝が1.6mm以上であること。
・タイヤに亀裂や破損がないものであること。
・タイヤの空気圧が適正であること。
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などの点検内容となります。
車検時、上記の点検項目が不合格であれば、安全基準を満たさないタイヤと見なされ入れ替えが必要となります。
車検はタイヤの状態を知る絶好の機会と言えるでしょう。
また、法定12ヶ月点検にも車検と同じくタイヤに関する点検項目が設けられています。
車検と法定12ヶ月点検を交互に利用することで、タイヤの状態を定期的にチェックすることができます。
そしてタイヤの買い替えが必要であれば点検と同時にタイヤを購入することもできる為、一度に車のメンテナンスを完了することができるのです。
3.夏冬タイヤの切り替え時に
夏冬タイヤの切り替えも、タイヤの状態をチェックする機会になります。
ご自身で夏冬タイヤの交換を行う時にも、タイヤの残り溝やヒビなどの状態を確認することができます。
また、自動車工場やガソリンスタンドなどにタイヤ交換の作業を依頼する場合は、スタッフにタイヤの状態チェックを前もってお願いすると良いでしょう。
もし状態が悪ければ、夏冬タイヤの切り替え時に新しいタイヤを購入することができ、その後安心して走行することができるでしょう。
自分の車にあったタイヤを選ぶには?
タイヤには多くの種類があり、それぞれ得意分野があることをご存知ですか?
タイヤメーカーは国内・国外で多くのメーカーがあり、さらに同じメーカーでも様々なラインナップがあります。
そしてタイヤの種類によってそれぞれの特性も変わってきます。
では、タイヤを購入する際は、何をポイントにして選べば良いのでしょうか?
1.自分で選ぶときのポイント
ご自身でタイヤを選ぶ時は、価格帯だけではなく装着する車の特性や乗り手のライフスタイルに合ったタイヤを選ぶことが大切です。
例えば、燃費性能に優れた車に乗っていたり、燃費を重視する方は、転がり抵抗が少ない低燃費タイヤを選ぶことで、車の優れた燃費性能を維持することができます。
低燃費のタイヤを選ぶときは、購入時タイヤに貼ってあるラベルを参考にしましょう。
転がり抵抗係数と呼ばれる、タイヤが回転する時の抵抗力のレベルが「A」以上(AAAが上限)で、
ウェットグリップ性能と呼ばれる、路面が濡れている状態での停まる力のレベルが「a~c」(a>b>c>dの順で性能が高い)の範囲にあるタイヤを「低燃費タイヤ」と定義しています。
ラベルに「低燃費タイヤ」と記載されているため参考にしやすいと思います。
また、SUVやミニバン、背が高い軽自動車に装着する場合は、ふらつきを抑えるタイヤを選ぶことで安定感のある運転ができます。
これまで背が高い車は重心も高いため左右にふらつきやすかったり、タイヤの外側だけ摩耗しやすいという問題がありました。
背が高い車に合ったタイヤを選ぶことで、ふらつきや偏摩耗の問題を解決し、運転の快適性を感じることができます。
さらに、セダンやスポーツカーなど、運転のしやすさを重視したり、高い操作性を求めたい方には、ハンドリング性能が優れたタイヤがおすすめです。
各タイヤメーカーではハイグレードクラスのタイヤを有しており、高速時の安定性や操縦のしやすさ、乾いた路面と濡れた路面両方での力強さが特徴です。
乗り心地を重視したコンフォートタイプと、運動性能を重視したスポーティタイプがある為、お乗りの車の性能やご自身が何を重視するかで選択すると良いでしょう。
そして雨の日の安心感を求めたい方は、ウェットグリップ性能に優れたタイヤを装着することで、運転の安全性を確保することができます。
雨の日の運転に不安を感じる方も少なく無いでしょう。首都高速道路の調べでは、雨の日の事故は晴天時と比べて死傷事故は約4倍、施設接触事故は約7倍増加するという統計が出ています。
これは視界が悪くなるだけではなく、路面が滑りやすくなったり、ブレーキを踏んでから実際に車が止まるまでの制動距離が長くなることが原因となります。
ウェットグリップ性能に優れたタイヤを装着することで事故を未然に防げる可能性が高くなる為、運転に自信がない方だけではなく自信のある方にも雨に強いタイヤはおすすめになります。
このように、そのタイヤが装着する車の特性に合っているか、ご自身の希望に沿った性能を持っているかを知ることが、ご自身でタイヤを選ぶ時のポイントになります。
2.不安だったらお店にきいてみよう
数あるメーカーの多種多様なタイヤの中からご自身の希望や車にマッチしたタイヤを選ぶのはなかなか大変な作業です。
タイヤを選ぶのが不安な場合は、行きつけの自動車工場や量販店のスタッフに聞いてみましょう。
タイヤの特性や価格に関して詳しく教えてくれるでしょう。
いくつか候補を挙げてもらい、性能や価格を比較・検証することで、納得した上でタイヤを購入することができます。
3.お店で購入・交換するときの費用の目安は?
お店でタイヤを購入・交換する時の費用が知りたい場合は、まずタイヤサイズを知ることから始めます。
タイヤのサイズは、タイヤの側面にある数字とアルファベットから成り立っています。
同じく側面にタイヤメーカーの名前とタイヤの種類の名前が記載されているので、現状どのようなタイヤを使用しているかを把握しておきましょう。
タイヤのサイズは夏タイヤと冬タイヤでサイズが異なる場合があるため、必ず装着する方のタイヤサイズを確認しましょう。
タイヤの費用はサイズや性能ごとに異なりますが、基本的には購入時に装着していたタイヤを基準に、同等もしくはそれ以上の性能を持ったタイヤに買い替えることをおすすめします。
なぜなら、低燃費や操縦の安定性などの面で、最初に装着していたタイヤよりも性能が低いものを選ぶと、車の燃費が落ちたり、乗り心地が変わってくる可能性があるからです。
したがって、タイヤを購入する場合は価格だけではなく、性能も確認した上で購入しましょう。
もしタイヤの費用を知りたい場合は、タイヤサイズをご確認の上、量販店だけではなく、弊社が運営している車検のコバックにもお問い合わせ下さい。
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