今年も冬が近づいてきました。新潟に住む我々にとって雪は季節を感じさせるものであると同時に、厄介な障害物でもあります。特に車で雪道を走るときには気を付けなければいけないことがたくさんあります。雪道での注意点を色々と見ていきましょう。
この記事の目次
新潟の冬。道路走行時に気を付けること。
冬の道路は普段よりも危険がたくさん
・車に積もった雪や着雪は運転前に除去
朝起きたら外に雪がどっさり積もっているというのは新潟では冬の風物詩ですが、道路だけでなく、当然駐車場や車の上にも雪は積もっています。時間がないからとりあえずガラスだけ雪を取って出発、というのが危険なのはご存知だと思います。ルーフに積もった雪は温められ走行中に滑り落ちてきます。信号待ちで止まったらルーフの雪がフロントガラスにズサササーと落ちてくる、というのを経験したことのある方は多いのではないでしょうか。車に積もった雪は全て除去してから運転する、これは鉄則です。
・凍結/アイスバーンに注意
雪を除去して出発しても、危険はまだまだ沢山あります。まずは路面。雪の上を車が走行して踏み固められた、または気温によって凍ってしまった路面はアイスバーンと呼ばれ、ブレーキが効きづらく多くの事故の原因になっています。
当然スピードを出せば出すほどブレーキが効きづらくなるため、低速走行、車間距離を広くすることを心がけましょう。
・カーブや下り坂は事故が起きやすい
当然ですが、カーブや下り坂は特に注意が必要です。どちらもブレーキが効きづらいことによって、カーブでは外に膨らみやすく、下り坂は逆に加速してしまう危険性があります。
山道では冬期には危険性を鑑みて通行禁止にする道もあるほど。普段の生活で使っている道がカーブ、下り坂が多ければ、迂回してでも安全性を取ることをおすすめします。
・常にチェーンなどの準備を
降雪状況や道路状況によっては、スタッドレスタイヤを装着していても雪にはまってしまったり、走行が困難になってしまうこともあります。そういった場合に備え、車の中に雪を掻き出すスコップや簡単に装着できるタイヤチェーンなどをお守り代わりに車の中に入れておくと良いのではないでしょうか。
除雪後でも…
・除雪後は特に路面の凍結に注意
そんな危険な冬にも強い味方がいます。まず一つ目は何と言っても除雪車ですよね。夜間の間に除雪車が走ってくれるお陰で、道路の雪は少なくなり格段に運転がしやすくなります。
その結果として些細なことではありますが、路面が凍結でガタつくことはあります。どうしても道路のアスファルトを削らないように除雪するので、少しだけデコボコに残った雪が凍結することによって生まれるものですのでお気をつけ下さい。ちなみにこのガタガタ道は豪雪地帯ほど少ない印象です。やはり雪に慣れたドライバーさんは除雪車の運転も上手なのだと思います。
・住宅地や駐車場には除雪車が作った雪山や雪の塊があることも。
除雪車の副産物に関してはもう一つ、道路の脇に固まった雪の塊があります。除雪車は基本、ラッセルで雪を左右に退けて道路から雪を除去します。そのため、雪の量によっては脇に寄せられる雪も大量になり、それが1メートルほどの高さになることもあります。
そのため、朝出発しようとした時に、出入り口がその雪の塊で塞がれていることになり、車だけでなく、この出入り口の除雪もしなければならないことも。この時、どうしてもギリギリの幅だけ除雪してすぐ出ようとしてしまい、ボディが接触してしまったり、左右の確認が出来ず事故に繋がったりすることもありますのでご注意ください。
・路面凍結の恐れがある時は融雪剤/凍結防止剤が撒かれる。
そして二つ目は消雪パイプと融雪剤です。どちらも路面に水や薬剤を撒き、雪が積もったり凍結したりするのを防ぐためのものです。雪道を走行中に、白い砂のようなものを散布している車を見たことはありませんか?その散布されているものが融雪剤です。
消雪パイプと融雪剤も非常に効果は高く、先ほど触れたアイスバーン等の防止にとても役立つもので、これも冬期の日常と言って良いでしょう。
ただこの消雪パイプと融雪剤にもデメリット、マイナス面の副産物があります。それぞれがボディに付着することにより、汚れたり、錆を誘発したりしてしまうことがあります。詳細は後述しますが、これに代表されるように、冬の道路には特有の汚れが多くあり、厄介な問題です。われわれ雪国のドライバーは、このデメリットと向き合って冬道の運転をしなければなりません。
消雪パイプや融雪剤/凍結防止剤が車に与える影響
そもそも降ってくる白い雪、あれが汚れのもとになるというのはご存知ですか?
道路には、ブレーキダストと呼ばれる鉄粉が散乱しています。それが雪に付着し、雪を介してボディに移動して付いてしまうのです。
白いボディに茶色いブツブツが出てしまうアレですね。
この鉄粉に関しては専用の溶剤や粘土で比較的簡単に除去が出来ますが、問題は先に触れた消雪パイプや融雪剤によるダメージの方です。ここではその2つがもたらすダメージについてご説明します。
融雪剤/凍結防止剤
・説明/仕組み
まず融雪剤とは、その名の通り雪を溶かすための薬剤のことです。
主な成分は塩化カルシウムや塩化ナトリウムで、塩化ナトリウムのものは融雪剤ではなく凍結防止剤とも呼ばれています。
普通の水は0℃が凝固点、つまり氷になるのですが、それを-20℃から-50℃程度まで下げるのがこの融雪剤です。
ざっくり言えば、道路に塩を撒いて化学反応で雪を溶かしましょうというものです。
凍って道路にくっついた根雪やアイスバーンなどは非常に強固ですが、そういったものを溶かすことができる融雪剤はメリットも大きいです。
・車に与える影響と原因
ここからデメリットの話です。
融雪剤には塩分が多く含まれていますが、これが道路を走る自動車とは非常に相性が悪いのです。
なぜなら、車のほとんどは基本、鉄でできているからです。
鉄に塩をかけたら錆びやすくなる、ということを理科の授業で習いましたよね。塩には、酸化を促進する効果があります。鉄が酸化すると酸化鉄になりますが、この酸化鉄はサビのことです。
道路に撒かれた塩は溶けた雪や水に混じって車に付着します。これがボディや下廻りをすぐに錆びさせてしまうことに繋がるわけです。
消雪パイプ
・説明
消雪パイプの話に移りましょう。
道路の中にパイプを埋め込み、そこから水を出し続けることで雪が積もらないようにするものです。
流れる水は水道水ではなく地下水を使っているのがポイントです。
あまりイメージが湧かないかも知れませんが、地下水の温度は温かいことが多いです。例えば温泉なんてまさに温かい地下水です。もちろん湯気が立つほどの温かさは稀ですが、雪よりも温度が高いので効果も高いわけです。
さらに最近の消雪パイプはほとんどが自動制御になっており、降雪を感知したら自動的に散水するため、真夜中に突然大雪になっても対応してくれるように出来ている優れモノです。ちなみに発祥は新潟県長岡市とされており、新潟の冬の強い味方です。
・車に与える影響と原因
消雪パイプにもデメリットはあります。それは車の黄ばみです。一冬超した春先に、パールホワイトのキレイなボディの下半分が黄ばんですごい色に‥という車を絶対に見たことがあると思います。これは地下水に含まれている鉄分が原因です。
融雪剤・凍結防止剤の錆や消雪パイプの汚れ、放置するとどうなるの?
どちらも放置はオススメできません。
まず融雪剤のサビに関してですが、当然サビは放置すればするだけ進行し、広がっていきます。その結果車体に穴が開いてしまうこともあり、そうなると強度不足で車検に通らなくなってしまいます。
消雪パイプの黄ばみはそこまで致命的なものには繋がりませんが、ボディについた黄ばみは時間が経てば経つほど除去しにくくなります。また、塗装面へのダメージも懸念されます。長期間放置してから黄ばみを取っても、ダメージのせいで色味の違いが残ってしまう可能性もあるので、やはり早めに除去をするのが正解です。
愛車を大切にするには、冬独特のダメージを防ぐ必要があります。
こういったダメージを完全に防ごうとするには、それこそ冬期に融雪剤や消雪パイプを使わない道だけを走るなどの対策になりますが、やはり現実的ではありません。
そんな中でも、ダメージを抑える方法はいくつかありますので、それをご紹介します。
下廻りの洗車
融雪剤などが下廻りに着いたら、こまめに洗浄をしましょう。
ホースで流してあげるだけでも一定の効果はありますし、ドライブスルー洗車機でも数百円の追加で下廻り洗浄をすることができます。最近の洗車機はスポンジブラシを使いボディにキズをつけることも減りましたので安心してお使いいただけます。
また、車検の時にはリフトに上げて下廻りをしっかり見れますので、そこでスチーム洗浄をかけることもオススメです。
2970円でお待ちの間に作業できますが、エンジンルームの洗浄とセットで4950円のため、そちらを選ばれるお客様が多いです。
防錆コーティング
最も効果的なのは、下廻りに防錆コーティングを施工することです。下廻りに防錆剤で膜を張ることで、錆の進行を抑えることができます。
施工で大事なのがタイミング。
防錆コーティングには既に付いている錆を除去する効果はありません。予防のためのものなので、早ければ早いほど効果が高いです。
そのため、一番良いのは車を買ったタイミングで最初にやってしまうこと。その後、車検等のタイミングで様子を見て効果が薄くなってきたら再施工、という流れが最適解です。
この防錆コーティングは車を浮かせて下から施工する必要があるため難易度が高く、プロに任せるのが良いでしょう。
軽自動車なら27,390円で施工できます。
コーティングの乾燥、固着に時間がかかるため、一泊二日での作業となります。(代車無料)
その他
消雪パイプの黄ばみは洗車だけでは落ちないため、春になってからまとめて除去してあげるのが良いです。シーズン毎に除去してあげれば塗装へのダメージも大きくはなりません。
あとはこちらも専用の薬剤がありますが、非常に強いもののため、肌に付いてしまうと危険なものが多いです。ゴム手袋などをして慎重に行うか、これもプロに任せていただくのが無難でしょう。
また、強い薬剤のため、水垢だけでなく撥水コーティングなども薄いものは全て除去されてしまいます。塗装状態がリセットされるため、ここで併せてボディコーティングなどを施工されるのもオススメです。
ボディサイズによって料金は異なりますが、小型軽自動車クラスで水垢除去のみは3300円、ポリマーコーティングとのセットで9580円となり、一日お預かりしての作業となります。
まとめ
こういったデメリットばかりが強調されがちですが、それでも融雪剤、消雪パイプで得られる恩恵は無視できないものです。これらを避けてアイスバーンを走って事故になれば元も子もないですからね。
メリットとデメリットを把握した上で対策し、これらをうまく利用することが重要です。
そして上に挙げた洗浄、防錆コーティング、黄ばみ除去は全て車検のコバックで施工することができます。
お車の状態を確認した上でベストな提案をいたしますので、ぜひご相談ください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。